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コラム

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第32回 2009年度 GWグランドトーナメント(第2期)デッキ傾向分析
去る3月28日、池袋サンシャインにて、ガンダムウォー最強プレイヤーを決定する「2009年度グランドトーナメント決勝(第2期)」が開催されました。

全国のチャンピオンシップの優勝者と、前日のGT予選通過者、そして海外からの招待選手の計62名のGWトッププレイヤーが自分の信じる最強デッキを持って、GT優勝の栄冠を目指して熱い戦いを繰り広げました。

今回のGW通信では、GT決勝を戦い抜いた62名+統一王者決定戦参加の第1期GTチャンプのデッキデータを元にグランドトーナメントを分析します!!
● 第2期チャンピオンシップからの環境変化
ユニオン・フラッグ&グラハム ジ・オ&シロッコ デッキ分析に移る前に、今回の「グランドトーナメント」の環境について簡単に解説します。
まず、各都市で行われた、「GWチャンピオンシップ」と、今回のグランドトーナメントの最も大きな変化が、24弾「宇宙を駆逐する光」の登場です。
そして、今回の「グランドトーナメント」は、その「宇宙を駆逐する光」から登場した「ACE」の影響が色濃く出た大会と言えます。

○ACEの登場
「ACE」は、ユニットとオペレーション両方の特性を兼ね備えたデッキとして新たに登場したカードです。
24弾発売から「グランドトーナメント」まで、ほとんど期間が無かったにも関わらず、「グランドトーナメント」を戦った62+1デッキの内、50デッキが「ACE」を使用していた事からも、「ACE」がゲーム環境に大きな影響を与えたと言えるでしょう。
そして、「ACE」の運用方法もデッキにより、様々なパターンがありました。

・ドロー効果
最も基本的、且つ多く使われていたのが、「ACE」が共通で持っているドロー効果です。
全ての色に与えられた、ドロー効果が与えた影響は大きく、ドローの安定性に不安があった緑や黒と言ったデッキだけでなく、赤のようなドローソースの多い色でも使われていました。
その結果、元からドロー効果に秀でていた赤は、デッキにピンポイントで強いカードを1枚だけ投入し、運用する形が多かったのが印象的です。

・ユニット化効果
単純にユニット化して攻撃するというよりも、ユニットでの交戦に重点が置かれていました。
これは、「ACE」が効果の対象にならないという点から、厄介なテキストを持った敵軍ユニットに対して、その効果を受けず安全に交戦できるからです。

・テキスト効果
ドロー、ユニット化以外の効果が強いものは、テキスト効果を中心の運用をされていました。
その中でも「ジ・オ&シロッコ(A-3)」は、強烈な効果を持つため、できるだけ早くロールコストを支払えるように、オペレーションを増やした構築で運用されていました。

○ACE構築による影響
上記のように「ACE」は様々なデッキに投入されていたため、一時期のようなタメGに頼り、デッキ内のG枚数を切り詰めた構築も以前ほど見られなくなり、そのためG破壊をメインに据えたデッキも以前ほど見られなくなりました。
● GTデッキ傾向

GTに参加した62+1デッキ。
今回のデッキ傾向では、それらのデッキを順位毎にA・B・Cの3グループに分けて解説します。
それぞれのグループでのデッキ分布から、GTのメタゲーム傾向をポイント毎に紹介します。

● Aグループ
マリーダ・クルス 周辺警護

今回のGT上位20位までに入ったデッキが、このAグループデッキです。
デッキ分布としては、優勝した赤のコントロールデッキや、緑系ビートダウンと黒系デッキが比較的多くなっています。

A・B・Cグループ全体での結果を見ると、今回のGTにおいての最大勢力は「赤単色マリーダコントロールデッキ」です。
その為、このAグループのデッキは「赤単色マリーダコントロールデッキ」か、それに耐性があるデッキであるデッキのどちらかです。

そういう意味では、Aグループで上位入賞した緑系、黒系のデッキはその条件を満たしたデッキと言えます。
まずは、これらのデッキを紐解いてみましょう。

○マリーダデッキの勝ち筋を封じる構築
「赤単色マリーダコントロールデッキ」の肝は「マリーダ・クルス(CH-118)」や、各種カウンターでの場のコントロールですが、入賞した「緑単色中速デッキ」黒コントロールデッキ(捲土ツヴァイ)」は、それぞれ異なった対策を取っていました。

「緑単色中速デッキ」「グラハム専用ユニオンフラッグカスタム(U-009)」「ユニオンフラッグ&グラハム(A-2)」を用いた対象にならないユニットで場を構築し、相手のコントロールを受け付けない攻撃を行います。
また、これらのユニット(ACE)は「速攻」を持つため、「ケンプファー(試作機)(U-263)」等のダメージによる鉄壁の防御を成立させる事で勝ちを確定させます。
デッキの動きとしては、対象にならないユニットを中心とした、コントロールデッキに近いものになっています。

また、黒コントロールデッキ(捲土ツヴァイ)」「ゼグ・ツヴァイ(ジョッシュ機)(U-197)」「マリーダ・クルス」を奪う事で相手の勝ち筋を機能不全にさせます。
更に「ジ・オ&シロッコ」の効果は「魂の輝き(C-4)」との組み合わせ、相手の場を壊滅させる動きも可能です。

このように、緑系のデッキは対象にならないユニット、黒系デッキはコントロールの基本となる「マリーダ・クルス」を止めると言った、「赤単色マリーダコントロールデッキ」の勝ち筋を封じるデッキが選ばれています。

○最終的なGT結果
黒コントロールデッキ(捲土ツヴァイ)」「緑単色中速デッキ」等、「赤単色マリーダコントロールデッキ」を対策したデッキもあり、それらは上位に入賞する結果を残しました。
しかしながら、GT優勝は「赤単色マリーダコントロールデッキ」に輝きました。
これは、プレイヤーの力量、デッキポテンシャルの高さは言わずもがなですが、こういったポテンシャルを最大に引き出す、赤が本質的に持っているドロー操作の安定感が好まれた結果です。
この安定感が、6回戦という長丁場を勝ち抜く選択肢としては重要な要素で、更に言うと「赤単色マリーダコントロールデッキ」が多くのプレイヤーに選ばれた原因だったと言えます。

○統一戦
GT決勝後に行われた、第1期GTチャンプと今回のGTチャンプで争われる統一戦は、前期GTチャンピオンの駆る「青単色ブーストガンダムデッキ」が勝利しました。
このタイプのデッキも「赤単色マリーダコントロールデッキ」のコントロール確立前にスピードで勝利するタイプのデッキ(他には「緑単色ウィニー」紫ジンクスデッキ」等)として、選択されていたデッキです。

特に「青単色ブーストガンダムデッキ」は、オペレーション破壊が可能な為、赤のビートダウン対策である「木星圏からの出発(O-16)」に耐性があるのもポイントが高いです。
特に最終戦では、「周辺警護(C-116)」をべストのタイミングで引き込んでの勝利が印象的で、これを単純なカードの引きの強さというよりも、基本となる「急ごしらえ(C-33)」「政治特権(C-43)」にプラスして、ドローソースとして投入された「ACE」による所も大きいのではないでしょうか。

●GT入賞デッキ(統一戦+1位~20位まで)
  順位  
青単色ブーストガンダムデッキ(タッチ黒含む) 統一戦優勝・7位・15位 (3名)
赤単色マリーダコントロールデッキ 1位・3位・9位・19位 (4名)
緑単色中速デッキ 2位 (1名)
緑黒コントロールデッキ(捲土ツヴァイ) 4位・5位 (2名)
黒単色TRデッキ 6位・10位 (2名)
緑紫ジンクスデッキ 8位・14位 (2名)
赤単色存在しない人間デッキ 11位 (1名)
緑単色ウィニー 12位・16位 (2名)
茶単色MFデッキ 13位・18位 (2名)
黒赤コントロールデッキ 17位 (1名)
黒赤占領報復デッキ 20位 (1名)
● Bグループ
キュベレイ&ハマーン シャア専用ズゴック&アッガイ

21位~40位の中間グループであるBグループは、「赤単色マリーダコントロールデッキ」が1/3を占めています。
また、それに対抗するかの如く「緑単色ウィニー」が残りの枠を埋めた形です。

前日のGT予選から「赤単色マリーダコントロールデッキ」「緑単色ウィニー」は多い事もあり、その結果を最も反映しているグループとも言えます。

○「赤単色マリーダコントロールデッキ」と「緑単色ウィニー」
この組み合わせはメインから「キュベレイ&ハマーン(A-4)」を積んでいる「赤単色マリーダコントロールデッキ」が優勢に見えます。
しかし、実際にはロールコスト用のカード準備や、「モニク・キャデラック(CH-189)」で防御を上げてからの「エリク・ブランケ(CH-194)」の直接ダメージを止められない為、メインでの相性は決して悪いものではなく、サイドボード後の「木星圏からの出発」が勝負を決めるカードとなります。
その為、「赤単色マリーダコントロールデッキ」のほとんどがサイドボードに「木星圏からの出発」が投入されていました。

○緑ウィニーの選択
「緑単色ウィニー」は今回GTに参加したデッキタイプの中で、全く「ACE」を使用しないデッキです。
逆に「ACE」が多い環境の中で、「ACE」に対抗するように「理想に仇なすもの(O-100)」が選択されていたのが印象的です。
また、24弾より序盤の打点の高さや「水」等のテキストで比較的処理の難しいユニットとして新たに「シャア専用ズゴック&アッガイ(U-337)」が投入されています。
このカードは、リロール状態のカードを破壊する効果もあるので、緑には珍しくオペレーションを破壊できるカードです。

●GT入賞デッキ(21位~40位まで)
  順位  
赤単色マリーダコントロールデッキ 21位・22位・23位・24位・30位・31位・32位 (7名)
黒単色TRデッキ 25位 (1名)
青赤謀殺サポタージュデッキ 26位 (1名)
緑単色ウィニー 27位・29位・34位・35位・39位 (5名)
青赤ブーストガンダムデッキ 28位 (1名)
緑黒コントロールデッキ(捲土ツヴァイ) 33位・36位 (2名)
黒紫ラジエルデッキ 37位 (1名)
緑単色中速デッキ 38位 (1名)
青単色重速ユニコーンデッキ 40位 (1名)
● Cグループ
ガンダムラジエルガンダムナタク

Cグループは41位以降の下位グループになりますが、実際にはGT参加62人の選ばれたプレイヤーのデッキですので、デッキポテンシャル自体は高いと言えるでしょう。

このグループでも、やはり「赤単色マリーダコントロールデッキ」大勢を占めていますが、それ以外のデッキではビートダウンデッキや重速デッキ等、比較的デッキのレパートリーが多いグループと言えます。

○「赤単色マリーダコントロールデッキ」に不利なデッキタイプ
「白単色重速デッキ」紫ラジエルコントロールデッキ」等のデッキは強いデッキタイプではありますが、赤系コントロールデッキが多さから、結果を残す事ができませんでした。

これらの展開の遅いデッキは自分が展開を始めるターンが遅いため、「赤単色マリーダコントロールデッキ」が先にコントロールが確立してしまう事がほとんどです。
その為、そのコントロールに対抗するカードをプレイしたとしてもカウンターで狙い撃ちされ非常に不利なマッチアップと言えました。
前日の予選の時点でも、そういった状況は良く見られ、GTにおいても同様の結果となりました。

また、このグループには様々なビートダウンデッキもありますが、これは「緑単色ウィニー」が流行していた為、コントロールデッキの「緑単色ウィニー」用の対策カードのあおりを受ける形で、結果を残す事ができなかったと思われます。

このようにCグループは、大会最多の「赤単色マリーダコントロールデッキ」と相性が悪いデッキが多く、結果を残せなかったのではないでしょうか。

●GT入賞デッキ(41位~62位まで)
  順位  
赤単色マリーダコントロールデッキ 41位・43位・49位・53位・62位 (5名)
黒紫ラジエルコントロールデッキ 42位 (1名)
黒赤コントロールデッキ 44位・48位・61位 (3名)
黒単色TRデッキ 45位・54位・57位 (3名)
緑単色ウィニー 46位・60位 (2名)
赤単色クロスボーンマリーダデッキ 47位 (1名)
白単色重速デッキ 50位・56位 (2名)
茶単色MFデッキ 51位 (1名)
青単色ブーストガンダムデッキ 52位 (1名)
青赤ディープストライカー 55位 (1名)
緑単色中速デッキ 58位 (1名)
緑黒コントロールデッキ(捲土ツヴァイ) 59位 (1名)

・東京大会シード権利者割合/全参加者 244/1052(23%)
・入賞者シード権利者割合/入賞者 41/80(51%)

■次のGTへ向けて
乱世に生きる漢たち

2009年度グランドトーナメント大会〔第2期〕も終了し、次は2010年度の戦いが開始されます。

今回のGTは、「ACE」の登場で環境は変化したものの、「エクステンションブースター3」発売以降続く、「赤単色マリーダコントロール」等の「マリーダ・クルス」を中心にしたデッキが優勢の環境でした。

しかし、「黒コントロールデッキ」や「緑単色中速デッキ」と言った、「赤単色マリーダコントロール」に対抗したデッキも結果を残しており、今後の環境に一石を投じる結果となりました。

また、5月にはドラマチックブースター「乱世に生きる漢たち」が発売され、新たなゲーム環境と共に各都市の地方予選が開催されます。

GW史上最高の硬派ブースターといえる「乱世に生きる漢たち」は、劇中で主役を幾度と無く追い詰めた、ライバルユニットやライバルキャラが強力カードとして登場。名台詞が刻まれた新しいGも、見逃せない注目ブースターです。

そして、初の試みとなるGTシード権大会も開催中
ショップ等で開催されるシード権大会で、上位入賞し、15ポイントを集めて登録すると、GT7都市地方予選大会が3回戦からの優先参加が可能となります。
GTセミファイナル進出への近道と言えるので、GT7都市地方予選大会に出場される方は、その前哨戦としてGTシード権大会に参加されてはいかがでしょうか?

更に、シード権大会の後も「ショップ対抗日本一決定戦」「ブースタードラフトキング」も開催されますので、最寄のカードショップの大会も要チェックです!!

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